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紙ラボ!@自由大学 第1期レポート
→第1回[9/10]
→第2回[9/17]
→第3回[9/24]
→第4回[10/1]
→第5回[10/8]
→工場見学:色校正のゲンバ[10/10]
→工場見学:箔押しのゲンバ[10/15]
→工場見学:印刷〜製本のゲンバ[10/21]
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第1回:オリエンテーションと紙のスケール
(文:ホリエダイスケ curator)

いよいよ始まった「紙ラボ!」の第一回。第一期となる今回は16名の方にお申し込みをいただきました。デザインに関係する方はもちろん、紙に触れる機会が多い方や紙を使って面白いことがしたい、という方まで様々なモチベーションを持って、「紙ラボ!」に申し込んでくれたようです。

初講義はまず、講師である野口の自己紹介から。普段の印刷コーディネーター、デザイナーとしての仕事を紹介しながら、自身の紙との関わり方、この講義を企画するにあたっての経緯をお話ししました。この段階から生徒の皆さんはテーブルの上に出される野口の作品に興味津々で手に取っていました。

講師の次は、受講生の自己紹介。自身の仕事や活動においての紙との関わりやアイディアをお話しいただきました。自分の作品を持ってきてくれた方もいて、それぞれの考えていることにお互い共感し合っている様子でした。

一通り自己紹介が終わった後は、いよいよ「紙ラボ!」本編のスタート。第一回目の今回は印刷をする際の紙の発注・購入の流れから、紙のサイズ、厚み、重さなどなど、基礎知識から丁寧に進めていきます。普段耳慣れない用語がたくさんある印刷と紙の世界なので、知識の整理の意味も込めていい機会になったのではないでしょうか。受講生に配られる講義資料は、後からでも見返して確かめることができるので、とても貴重です。

あっという間の1時間半を過ぎ、21:00に講義は終了しましたが、生徒の皆さんと講師の野口は終電近くまで紙と印刷の話に花を咲かせていたようです。これからの発展が楽しみなクラスになりそうです。ちなみに野口はしゃべりすぎて声を枯らしていました。
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caption:初回は118ライブラリーで。奥にはIIDの中庭もあります。
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第2回:紙と加工の相性:特殊紙について
(文:ホリエダイスケ curator)

第二回は通常の印刷物から、特に箔押し・シール印刷のベテラン職人が活躍する有限会社コスモテックの営業を担当されている青木政憲さんをアドバイザーにお迎えし、紙と印刷加工の相性を学んでいきました。

この日から教室は、会場があるIID世田谷ものづくり学校で唯一以前の中学校の教室をそのまま残してある教室で行います。そして用意されたのは大量の紙見本。講師の野口が所有しているものですが、普通ではなかなか揃わないようで、皆さん興味津々でした。そして「どうやって手に入れるんですか?」という質問に対しての「電話して目的と欲しいものを伝えるとくれますよー」という意外な回答にもびっくりしていました。

講義は印刷する際に使用されるインキ・ニスやトナー、箔などのマテリアルについて、印刷手法、そして特殊紙についてと進んでいきました。アドバイザーの青木さんは講義の随所で印刷の出方や紙との相性について経験に基づいて説明してくださいました。受講生の皆さんからも、話題に上がった紙を実際に使用したことがある方がその時の経験を話してくれたりと、使用例に事欠かない講義となりました。

講義の後は、持ち寄った気になる印刷物を題材に印刷談義。前回に引き続き盛り上がり、終電近くまで続けられました。もしかして講義後が本編!? と思うくらいです。次回以降もこの流れは続きます。

今回アドバイザーをしてくれた青木さんが所属する有限会社コスモテックさんのブログ。
http://blog.livedoor.jp/cosmotech_no1/
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caption:紙ラボの資料プリント、こんな感じです。
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第3回:紙屋が話す紙の話
(文:野口尚コ lecturer)

紙ラボ!の第3回はゲストに平和紙業株式会社の西谷さんをお迎えしました。

平和紙業さんは紙の代理店。紙の企画販売として、製紙メーカーに製造を依頼したり、販売流通を行っています。そのなかで西谷さんは、販売の営業とはちょっと違い、デザイナーへの紙の提案や展示企画、様々な情報集めをしています。

授業では、まず「これどうやって作ってるの?」という意外な紙の使い方のサンプルをいろいろ拝見。素敵なネタがいっぱいあったのですが、こっそり今度使ってみようかしら……と思ってるので秘密です(笑。

そこから国際的に見て日本が紙をどのくらい使っているか、紙が今後どのような役割を担っていくかなど、広い視点でのお話。そして紙を漉く抄紙機の話まで、紙業界ならではのお話をしていただきました。

質問コーナーでは「牛乳パックのような液体を閉じ込めるパックを好きな紙で作ることはできるのか」などなど、だんだん皆さんも詳しくなって質問がエッジィになってきた気がします。
私も「売れ筋の紙にトレンドってあるのかな」という質問をさせていただいたんですが「バレンタインデーとクリスマスのパッケージが景気を反映している」なんて意外なご回答が。うーん、まだまだ知らないことは沢山ありますね。

本当に、西谷さんの知識は半端じゃなく、さらに踏み込んだお話を聞いてみたくなってしまいます。平和紙業でも、今回のようなかたちで業界外の方々へ向けて紙の話をされる方は数人なのだとか。こうした方々のお話が聞ける機会が、もっと増えていけば良いなあと思います。

そして一旦授業が終わってからは、お持ちいただいたサンプル紙の争奪戦と西谷さんへの質問殺到。紙への興味は尽きませんね。

平和紙業株式会社
http://www.heiwapaper.co.jp/
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caption:たくさんのサンプルを解説する西谷さん
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第4回:紙の属性と印刷適性:一般印刷用紙
(文:野口尚コ lecturer)

紙ラボの第4回は、一般(白もの)印刷用紙について。
一般印刷用紙には特殊紙ほど分かりやすい特徴はありませんが、「風合いのある書籍を作るにはどうしたら良いか」、「いかに印刷を美しく見せるか」といった印刷媒体を前提とした細かい特性を、各社がしのぎを削って開発しています。地味に見えますが奥深いジャンルです。

印刷用紙は、ベースの素材やコーティングの具合など、いくつかの要素を基準として分類されています。
白もの印刷用紙全体では膨大な種類があるので、闇雲に探すのは非効率的。しかし分類ごとの特性の大枠を知っていれば、例えば書籍や雑誌の場合「どのジャンルの本なのか」「内容をどう見せたいのか」で、どういう紙を使えば良いかを絞り込めます。

一般印刷用紙について知ると、雑誌を立ち読みするときにもついつい曲げたり透かしたり、見るポイントが変わってくるんじゃないでしょうか。

そしてこの日は、授業が終わってからそのまま夜の学校で懇親会を開催。
おつまみや甘いものを持ち寄ったり、ブロートマニアな野口はパン担当。キュレーター堀江くんのお手製パスタも登場して「自由大学で一番豪華な懇親会だった」と自由大学事務局の林くんにお墨付きをいただきました(笑)

懇親会は紙の話に限らず、メンバーの皆さんの制作物や活動の話で盛り上がり、集まってくれた方々のジャンルの広さと深さを改めて感じました。終電でひとりふたりと解散していくなか、ご近所の世田谷組は勢い余って夜中の2時過ぎまで話し込んでました……。うーん、紙ラボ1期は次で最後なのですが、まだまだこのメンバーとの活動は続きそうな気がします。これからが楽しみです。

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caption:懇親会のメニュー一部(撮影:川田十夢)
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caption:授業前の教室(撮影:川田十夢)
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第5回:紙との上手な付き合い方(出版編)
(文:ホリエダイスケ Curator)

紙ラボ!第1期最終回となる10月8日の第5回は株式会社BNN新社編集部1グループの石井早耶香さんをゲストにお迎えして行なわれました。

講義ではまず石井さんが制作に携わった本を囲んで、手に取りながら使用した素材や紙を選択した理由を聞いていきました。代表例としては、特殊印刷・加工見本帳『Rhino』や、可愛らしい紙ツールを集めて特集した『紙のもの』などがあります。どの本にも工夫が感じられ、制作に関わる人たちとの真剣なやり取りが想像できます。

その後は、一冊の本を例に企画から本が書店に並ぶまでの流れを追いながら、台割なども見せていただき、各段階でのポイントや苦労をお伺いしました。見せていただいた『Rhino』の台割の細かさは圧巻でした。そこからデザイナーや写真家も印刷立会いへ連れて行くという、現場主義な出版への姿勢についてや石井さんのアイディアソースなどに話は続いていきました。

そして今回は最終回ということで、卒業証書の授与が行なわれました。全5回の講義はあっという間でしたが、その短期間のなかでもいい雰囲気を作ることができたのは生徒の皆さんとゲストスピーカーの方々の真摯な姿勢のおかげです。この場を借りて御礼申し上げます。これからみなさんと楽しいことがしていけそうな気がしてなりません。今後ともよろしくお願いいたします。

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caption:当日はBNN新社の本も沢山お持ちいただきました。
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