Trackback URI | Comments are closed.
紙09『嵩高紙/厚み ≒ 重さの関係』
今週なに書こっかなーと、過去に配信したものをチェックしていて、書いたつもりで書いてなかったの今回のテーマ、嵩高紙。「かさだかし」と読みます。
重量に対してやたらと場所を取るものを「かさばる」というように、「嵩が高い紙」とは繊維の密度を低くし、同量の繊維でより厚みが出せるようにした紙のことです。特定のカテゴリーでなく属性名と考えていただくと良いかと思います。
最近、コート紙や書籍用紙など一般印刷用紙で多く製造されており、雑誌・書籍などの出版物で好んで使われています。
嵩高紙を使うメリットのひとつは、コストパフォーマンス。
一般印刷用紙の価格は枚数ではなく「重さ」を基準にしています。
紙の見本を見ていただくと、厚みに応じて「四六判 135kg」や「菊判 93.5kg」といった表記があります。これらは連量という単位で、特定のサイズ(四六判・菊判など)で1000枚積み上げたときの重さを表しています。
よって同じ紙なら数字が大きくなるほど厚くなりますが、同じ連量でも種類の違う紙だと微妙に厚みは異なります。
そして価格は「1kgあたり何円」という換算になっていて、例えば<四六判 90kgで、kg単価が¥250の紙> を600枚購入する場合、
90 × 250 × 600/1000 = ¥13,500 となります。
ちょっとややこしいですね……。ひとまず計算方法はおいといて、ポイントは「重さ=使われる繊維の量」が基準になっていること。
つまり似た質感で同じ重さ(同程度の価格)なら、嵩高紙のほうが厚みが出せる。逆に厚さが同じなら嵩高紙のほうが軽くなるため、見た目のボリュームをキープしたまま、コストダウンが可能です。さらに一冊の重量も軽くなるので輸送・持ち運びが楽になります。
また、手触りが柔らかく裏抜けしにくいのも特徴。嵩高紙の製造工程には「嵩高剤」という、パルプの結合をよくしてふっくらとさせる薬剤が使われますが、これ、洗濯用の柔軟剤がヒントになったのだとか。
嵩高剤で調べてみると花王が開発していたりして、業界をまたいで工夫がされているのだなあと驚かされます。
各製紙メーカーから出ているこの嵩高紙ですが、密かに注目していたのがネーミング(特に王子製紙)の面白さ。
王子製紙からは「OKカサブランカ」「OK嵩百合」「OK嵩王」ほか、三菱製紙の「カサディアグロス/マット」など、微妙に「カサ」をくっつけているラインナップは嵩高を売りにしている紙が多いです。(センスはどうかってのは、まあ……)
他にも「バルキー」が嵩高を表しますので「オペラクリームバルキー」「エバーライトバルキー」などバルキーとついている紙も嵩高紙になります。
とはいえ、上記のような分かりやすい名前になっているもの以外も多くの製品が存在します。いっそ新開発の紙は、嵩高じゃない紙のほうが少なくなってきているのでは?
この10年ほどで一気に広がった嵩高紙。どこでも目にする印刷用紙の世界でも、裏で意外なブームが起こっているものなんですね。