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道具屋の松崎さんと山小屋のおはなし(前編)
__今回は、深夜の学校飲み@印刷の余白Lab.事務所でお送りします。
ゲストは出版社(社員)→ カフェ(店主)→ 古道具屋(バイト)と不思議な経歴を謳歌しているDJ 松崎さんです。
職場がそこそこ近いので、三宿周辺で日付をあっさり越えて飲み語り(チャリ通組に終電は関係ありません)したりする人生の先輩にして飲み友達であります。
期間としては編集が一番長いですよね。編集ってやっぱ大変ですか?__
そうだねー、7年。大学卒業して車・バイクとか自転車とかを扱う出版社に入社して、2年間は広告営業、残りは編集者で。
大変だったのは……仕事がというよりも営業から編集に移ったとき。初取材が自転車レースの会場で、自分で全部記事から撮影までやる。最初は人がたくさん集まってるところに割って話を聞きにいくのが、全然できなくて。途方に暮れたことがあるなあ(笑)
慣れてしまえば取材するのもすごく楽しいことなんだけどね。
__初めての仕事をするのは大変と言いつつも、そのあと編集から離れて、カフェ、始めちゃうんですよね。営業と編集以上に全然違う仕事だと思うんですけど……__
編集の仕事自体は面白かったんだけど、「誰に向けてつくってるんだろう?」って迷い始めて。それは何故かというと、雑誌つくってる人ってさ、雑誌を出して何万人何十万人って人が向こうにいるんだけど、印刷して出したら終わりで、接してる感じが全然しなかったんだね。真っ暗ななかにボールをどんどん投げているというか。
そこで面白い出会いがあって。
編集のロケハンで新車の紹介のために古くていい雰囲気の商店街を探していて、後々カフェをつくる不動前もそれで訪れたんだけども。
商店街をふらふら歩いてたら、古い商店街に似つかわしくない、オシャレな本屋さんがあって、取材がてら声をかけようと中に入っていったら、本棚とギャラリーが併設してあって、おじさんが一人。ミカンとか出してくれて話し込んじゃって。
僕もレコード集めてたし「自分の好きなものに囲まれて仕事してるのって男の夢ですよねー」とか言ってたら「やる?」って言われて。このへん空き物件あるから、大家さん紹介するよーって、いきなり現実的になって、そうした繋がりがカフェを始めるきっかけ。
実際に始めるまでの間に、本屋のギャラリーでレコードの展示をさせてもらったりしながら、この辺りにはこんな面白い人がいるんだなってことが分かって、ここだったら何かできるかなと思って。
だからそれまでは、カフェを始めるつもりなんか全然なかったんだよね(笑)
__でもそれで始めちゃったんですか。たまたま、かつ思い切りが良いというか……。カフェは2年くらいですか?__
その2年弱の間に、すごく面白い人が集まったから、それはやって良かったなあと。場所をつくることに興味があるんだね。誰かのつくったスペースで何かやるのも面白いかもしれないけれど、逆にその枠をつくって、なかで自由に遊んでほしいってのがあるなあ。
雑誌の編集者も、枠をつくる仕事だったかな、いま思うとね。
お店では接客、ドリンク、店内の展示イベント企画を担当していたんだけれども、もっと話せるかなーと思っても、2人で経営してたから結構忙しくて、ちゃんと会話できてないんだよね。話した内容を覚えていられなかったりとか。日々の20人30人が、毎日だと何百人になっていって、編集のときよりも規模は小さくなったけれど、結局同じだなと。
そのあといろいろあって、カフェは料理担当だった共同経営者に任せて、いまのDEMODE 道具屋に。
それはもう少し、人と近い距離でできる仕事をしたいと思っていて、そこへのステップとして、物販はやったことがないから、経験してみたいと思って。
__通勤途中にあったんですよね、道具屋(あ、これ店名です)。そうそう、古道具の仕事ってどんなものなんですか?
ほら、掘出し物とかってどこから出てくるのかとかとか興味あります。__
それが「古道具だから」というわけではなくて、仕入れて、値段をつけて、販売するのは普通の商売と変わらないと思う。仕入れは業者からセリで買い付けてきたり、お客さんから引き取ったりもするけれども、その先は同じだね。
ただ僕らは骨董・古美術とは違って家具屋さんに近い。アンティーク家具屋さん。値段もちゃんと表示してるしね。
でもアンティークや骨董は、最近あんまりモノがなくて。レコードと同じで良いものはコレクター間で取引されちゃうから、市場に出てこないんだよね。センスがあって、古道具を気に入って買う人は、なかなか手放すこともないからね。
__私もそこの書類棚(母校の近くで買った古道具)手放すつもりないですね。10年前に量産されていたものでも、いまここにあるのは一点だけですから。ちなみに値段ってどうやって決めてるんですか?__
もともと古道具は値段はあってないようなもので、店によって値段が違うのがその店の味だったり特徴だったりしたんだけれども、最近はネットオークションで出されるものも多いから均一化してきたみたい。本当は「この人はコレにこんな値段をつけるんだ」「この店主のお店だから買う」みたいな面白さが古道具にはあると思うんだけど。
しかし正直なところ、お店にはあまりお客さんこないね(笑)大きなものが多いから、個人のお客さんというよりも、建築会社や施工やってる人だったり、撮影用のリースだったり。
だから人と接して話すところではなくて、次へのステップとして、かな。
そこで! 山小屋ですよ(ふふふ)
__そう、そうなんですよねー。実はいま松崎さんの目指しているところは「山小屋のおやじ」なんです。後編は松崎さんの人生が、いきなりのように出てきた「山小屋」にどう繋がっていくのか解明したいと思います!__
[文中の諸々リンク]
DEMODE 道具屋→ http://demode-douguya.typepad.jp/