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印刷10『安全なデータ入稿のススメ:PDF編』
今週はかなり実務的な話、印刷データの話をしていきたいと思います。印刷物の入稿をするとき、何より気を配らなくちゃいけないのが、「ちゃんと印刷できるデータかどうか」です。
そして良い印刷データは、
「必要なものがすべて揃ってる」ことと
「余計なもの・設定が含まれていない」こと。
意外かもしれませんが、データから印刷用の版をつくるとき、PCで見るのと同じ状態で出力されるかどうかはデータの正確さにかかっています。
印刷データの話については今後もところどころで書いていければなと思っているのですが、今回は『PDF』形式について。
印刷データといえば、Illustrator や Photoshop のデータなどで入稿される方も多いかと思いますし、少し前まではPS・EPSなどのデータ形式が主に使われていました。
しかし、最近増えてきているのが「PDF入稿OK」という印刷所。
PDFは正しく使えば、軽い・シンプル・無駄がない、便利な形式です。印刷に必要なすべての情報が1ファイルにまとまっていて、PC上のプレビューと印刷物の内容が(基本的に)同一で印刷されます。
Illustrator のファイルなどでありがちな「画像ファイルを付け忘れた」とか「フォントが全然違うのになっちゃった」とかの凡ミスが防げるのもいいところ。
PDFってwebとかにもUPできて、資料のやり取りとかにもいろいろ使われているあれでしょー、というやつなのですが、同じPDFでも電子ブック用・web表示用など、状況に応じて違った性質を含んでいて、それぞれのメディアに合わせた設定にしなければいけません。
そして、印刷に適した状態のPDFを「PDF/X」という規格で区別しています(今のところ出版業界標準は「PDF/X-1a」形式)。
この「PDF/X」が一般のPDFとどう違うかというと「印刷に必要な性質しか含まれていませんよ」というお墨付きのファイルなんです。余計な情報が含まれていたり、印刷用なのにwebに合わせた性質になっていたりするとトラブルが起きやすいので、「印刷適性◎」な設定で保存しましたよ、ということ。
ちなみにつくりかたは結構簡単で、Illustrator や InDesignであれば、PDF形式で保存する時に「準拠する規格」を「PDF/X-1a」などにしてあげてそのまま保存すれば、ほぼ問題ないファイルになっているはず。
そして最近 PDF/X が推進され始めたのには、オフセット印刷機の変化が反映されています。
これまでのデータ入稿 → 印刷版の完成までの流れは、例えば下記のようなフローになっていました。
(1)データを入稿
(2)フィルム出力機が読めるファイル(PSなど)に変換
(3)製版用フィルムを現像出力
(4)フィルムから金属板へ焼付け → 版完成!
最近はCTP製版という方法で、フィルムを出さずデータから金属版を
つくることができるようになり、以下のようなフローになりつつあります。
(1)データを入稿
(2)製版機が読めるファイル(Outline PDFなど)に変換
(3)データから直接、金属板を作成 → 版完成!
しかし版をつくる機械には、入稿したファイルが複雑すぎると機械が理解しきれないことがあります。これがトラブルのもと。
フィルムから焼付ける場合は、フィルムの内容がそのまま版になるので、問題があれば中間チェックできるのですが、データから直に版をつくる場合はそれも難しい。このとき PDF/X は、金属版をつくるためのデータに問題なく変換しやすいファイルでもあるんですね。
PDFのメリットは他にもあるのですが、長くなりましたのでそれはまたいずれ。
長いうえにあんまり面白い話じゃなかったと思いますが(^^;
データのつくりかたは結構大事(出版方面では特に)なことなので、もっと単純なことも含めて、ときどきまとめていこうと思います。