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道具屋の松崎さんと山小屋のおはなし(後編)
(前編 → http://yohaku.biz/mmgwp/?p=125)
__前編に引き続き(現在は)古道具屋の松崎さんとお話です。山小屋をやりたいってところまでうかがったと思うんですけど……
山小屋。似合います(笑。__
ヒゲとか、ね!(笑)
それもね、きっかけはなんとなーくなんだけど。
いまやりたいと思っているのは、もともと中学高校と山岳部にいて、そのときから登っている山の中腹にある小屋。
お正月にはそこにテントを張って、上まで登って、帰ってくるってのを毎年やってたすごく思い出のある場所で、大学生や社会人になってもことあるごとに行く場所だったんだね。
そのときは全然、山小屋やりたいなんて思ってなかったんだけども。
社会に出て出版社に入って。「お客さんと、もっとじっくり会話がしてみたい、まあ会話ができなかったら、そのときはそのときで」。
そういう形態ってなにかなあと思ったら、山小屋、面白いかもって。
お客さんは不特定多数なんだけれども、どうしても小さい山小屋はベッドが限られるから、むしろちっちゃいのをよしとして、人ともっと接することができたなら面白いんじゃないかと思ったんだね。
__確かに、山は人との距離が縮まる場所ですよね。開放的になる海と反対に、内に向かっていくような独特の親密さが生まれるなと思います。
聞いててなるほどーと思ったのが、松崎さんは山小屋ってものがやりたいんじゃなくて、「そこの山小屋」がやりたいんですね。__
そうだね。もちろん他の小屋でもチャンスがあったらと思うけれど、やっぱり真っ先に思い浮かぶのは「そこ」なんだよね。
__カフェ始めた話でもそうでしたけど、将来の夢みたいな「こういうのやりたい!」じゃなくて「ここでこんなことできるかも」で動いている感じが……。
しかし改めて知らなかったことがいろいろと。普段お会いするのはたいてい週末の夜ですし(笑。DJ歴もかなり長いですよね?__
最初にやったのがね、中学か高校の学園祭。けど、レコードを集めだしたのは中学生のころ。
中学高校は早稲田に行っていて、たまたま山岳部のひとりがジャズ好きで。早稲田と言えばジャズの街で、ジャズレコード屋さんが高田馬場にあって、そこに一緒に行ってからレコードを買い始めてジャズを聴き始めて。
__早熟な中学生ですね!__
僕よりも知っていた友達がすごいんだけどね。いまとなっては彼の方が全然聞いてなくて、僕の方が断然聞いてたりするんだけど。聞いてる・かけてる曲はいまとあんまり変わらないんだよね。
そこだけ聞くとものすごいurbanな人みたいだけど(笑。
__うーん、でも山と音楽って素敵ですね。どっちかだけでも良いけど「山と音楽」。なんかこう、それだけで暮らせそうですもん。__
でも最近気になるのはね、音楽というよりは「音」。山に行ったら音楽よりも音を聞いてる。すごいんだよね、山の音って。うるさいくらい。かといったら、すごい静かなときもあるし。静かでも別に退屈しないし。何もないけども、それが音になっていたり。
音がたぶん好きなんだろうね。それでいくと、いろんな音が溢れているから山が好きな部分もあると思うけどね。
__そうそう、山の音って全体として気持ちの良い音になっていて、あの声がイカルだよとか言われた瞬間に聞こえてくる・意識が向く音がたくさん含まれていて。
街だと音はうるさいんだけど音の種類が少ないですよね。__
なんだろう、「空気のような音」ってすごいなーと思うんだよね。嫌な音って意識に残っちゃうけど、そうじゃない音ってすごい。
それをDJで目指したいんだけどね。それはいつも思ってる。
__山の音を目指したい、かー。それすごいですね。__
例えば人々が話してる声だったり、料理をつくってる音だったり、あとは僕たちのかける曲だったりっていうのが一緒になって、心地よい空間になってて、はっと気付くと音楽が流れてる。
そういう音の場をつくりたいね。
最近山にまた戻るようになって、なんで風のおとと沢のおとは違う音なのに、一緒に聞いて自然なんだろう、とか。だから僕はガーンと大きな音で1個の曲、じゃない方が、ね。
__なるほどですねー。実は、現在お勤めの道具屋の話をメインに聞こうと思ってたんですけど、すっかり山と音の話になっちゃったなあと思って(笑。
前編で話したような一見全然違う仕事をやって、でも音楽も目指す場所も山に戻ってくるのが面白いなあと。理想のコミュニケーションを探していくと、はじめに戻る、みたいな。__
そうだねー、自分でも不思議だね。結局そこがベースになってるんだろうね。
ふたつともそれで「良かったな」と思えるくらい奥の深いものだし、あと何十年つきあっても飽きないと思うし。
__うーん、山小屋、いずれ実現するの楽しみですね。松崎さんのいる山なら行っちゃいますよ。__
ありがとう。いまはそこに向けて、地道に様子をうかがいながら、物販以外にもまだやったことのないことをいろいろ経験してみたいなあ。
__おそくまで(深夜2時……!)ありがとうございました。松崎さんとだとついつい話し込んじゃいますよねー。
次回は全然取材ができておらず(どーん)、まだ未定。
次の次くらいには、ちゃりんじゃー(最新号のバイシクルマガジンに載ってますね)であり、ハンモック屋としてハンモック布教に励む、里山ハンモックのみちやまさんとお話する予定です。__
[文中の諸々リンク]
DEMODE 道具屋→ http://demode-douguya.typepad.jp/