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まるおさんとときどきテロリストなおはなし(後編)
(前編→ http://yohaku.biz/mmgwp/?p=150 )
__引き続き、イースト・プレスのまるおさんとおはなしです。
先週はまるおさん編集の新刊小説『かれ、ときどき、テロリスト』についてメインで話しましたが、後編は編集者まるお像に迫ってみようかと。もともと出版社を目指してた?__
大学卒業してふらふらしてて、集英社・小学館系の児童向けマンガの編プロに入って、小学館の『コロコロ』だったり集英社の『学習漫画 日本の歴史』をやったり、あとワニブックスのオタク向けマンガ雑誌やったりとか。
ワニブックスのときはマンガ家の担当もしたけど、小学館の下請けのときはマンガの担当しなかったんですよ。完全にマンガ家に会わない。マンガ家に会うのは、小学館の人がやるから。
__マンガ家に会わないマンガ編集ってなにやるんですか?__
編集実務。
『コロコロ』だったら800ページあるのを、ひたすら写植はって……。あとは読者ページとか、マンガページの上下左右にある柱の部分に『のび太くんがんばれ!』とか『◯◯先生に手紙を書こう!』とかあるでしょ。800p × 3 あるから、それをひたすら埋める作業とか。それだけでいっぱいあるんですよ。
そのあと、前の会社の人が立ち上げた出版社(もうないんですけど)、そこは同人作家を発掘してデビューさせたりしてて、コミティアに出てたころのオノナツメをメジャーデビューさせたりしてた会社なんだけど。編プロに2年いて、そこに移って3年くらい、かな。
__で、イースト・プレス。入社後、最初の本が「ムネオ本」だったという……(笑)__
『100%ムネオマガジン』。あれイースト・プレスで出した1冊目なんですよね。ちょうど鈴木宗男が出所してきて、衆議院出馬することが決まったくらいのタイミングで、それと同じくらいに出したら面白いかなと。
イベント*が当たっちゃって本自体はそんなに……だったんだけど、佐藤優と鈴木宗男が同じ本に載ったのはたぶん初めてだから。
※100%ムネオナイト→ http://www.muneo.gr.jp/html/saishin18-02-09.html
__でもAmazonのコメントが軒並み好評じゃないすか。2005年だから、もうけっこう前ですねー。
今は書籍4部の編集長(うろおぼえ)、だよね。書籍4部、というかイースト・プレスはそもそもどういう系の……__
イースト・プレスは、もともとはサブカルコミックの出版社じゃないですかね。『コミックCue』とか十数年前からあるし。会社で「これやれ」みたいなのはあんまりないですね。経営方針が「生き残る」だから。生き残れれば、基本的にはなに出しても良い。
書籍4部は『まんがで読破』とコンビニ500円本と、ビジネス書がメイン。
__生き残る(笑)といいつつ、コミックCueの趣味っぷりも凄いような……いま思えば、2001年から横山裕一を載せてるのは衝撃。まんがで読破は、企画から?__
最初? いや、プロダクションの持ち込み企画ですよ。出版社を探してて、どこも出してくれなかったらしくて。画を描いてるバラエティ・アートワークスが、マンガ制作集団で、社内の編集は僕だけ。タイトルを選定するのは僕なんですけど。版権の切れたものは膨大にあるから、そこからタイミングを考えて売れそうなタイトルから順にマンガにしていく。
元の作品の版権も切れてるから真似されても文句言えないし、営業力がないと書店に並ばないし。うちは大手じゃないけど、頑張ってコンビニを押さえたから、コンビニで売れた実績をもとになんとか書店の棚を確保しつつあるんだけど。文庫の棚を押さえるのって、本気で大変なんで。
最初は コンビニ:書店 の売上が 7:3 だったから。
コンビニ担当の営業がちゃんと関係を作ってくれたのでいまのとこウマくいってます。幸いマーケットに合ってたんじゃないかな。こっちはこっちで激戦なんだけど。
__相手が本だけじゃないもんね。おにぎりとかね。
なんか、すごい商売っ気のある話になってる。編集者、書籍は特に「いい本が出したい」が第一義な人、いるじゃない?__
そういう人は……うーん。それはそれでいいと思います(笑)。
大手だと違うかも知れないけど、例えば今回みたいな単行本小説を3ヶ月とかかけて作って、それだけだと会社としてはやっていけないし、イチ編集者としてもダメだと思う。まんがで読破みたいなのを月に4冊くらい出して、頭を切り替えて違うものを作ると、面白いものができるんじゃないかって。
小説は自分の中のマーケティングにないものだから挑戦だし、そのぶん思いがある。まんがで読破は、これを出すこと自体がロックなんで(笑)。
基本的に売れる本しかやりたくないですね。売れない本をつくると関わってるみんなに悪いから……。いまはデータとして、他の出版社にも売れ行きの情報とかがいっちゃうから、売れてないと、その作家はよそでも書けなくなっちゃう。
だから、出した後が勝負。
__うん。真っ当に、商売の王道らしい話をすると、アウトローに見えるのが出版業界の不思議なところだよね。じゃあ最後に、これからまるおさんがやってみたいこと、本じゃなくても可(笑。__
僕は本を作って生きたいですけどね。30年くらい。
なんというか……「売れる本」を、当てたいです。マーケティングにないもの。当たり前だけど、自分が本当に買いたい本を作りたいですよね。
みんな本、買わないでしょ。月1冊とか。その月1冊に選ばれる本を作りたいし、選ばれてる時点で売れる本なんで。
昔、橋本治が著者企画でセーターの編み方の本を出したことがあって。しかも売れたんだけど。それってすごいでしょ。そういうのやりたいですよね(笑。
その著者と、編集者じゃないと出なかった、みたいなのが。
なんか、ちょっと格好よくなってきてる……?(笑
__なってるなってる(笑。__
これ(『かれ、ときどき、テロリスト』)、映画化されます。
__……え? あ、ないよね! 未定だよね!(調子のんな!)
でも言うとなるって言うし。確かに、そうして出ていっていい小説だと思うけれど。ひとまず、ありがとうございました。__
__来週は、里山ハンモックのみちやまさんとお話しする予定だったんですが、雨には弱いハンモック(と、みちやまさん)。取材日に限って悪天候が続き、先送りになってしまったので、これから佳境に入る『紙ラボ!@Schooling-Pad 自由大学』の準備や、ゲストとの打合わせの様子など、講座の舞台裏をお伝えして行こうと思います!__
[文中の諸々リンク]
イースト・プレス→ http://www.eastpress.co.jp/
『かれ、ときどき、テロリスト』at Amazon→ http://www.amazon.co.jp/gp/product/4781601669/
『まんがで読破』→ http://www.eastpress.co.jp/manga/
『100%ムネオマガジン』at Amazon→ http://www.amazon.co.jp/dp/4872576217/