印刷01『箔押し・空押し・エンボス(1)』

2月 5th, 2009

まずは野口の十八番でもありますが、箔押し・空押し・エンボスについて数回に分けて紹介します。印刷のなかでも非常にシンプルな構造で、アイデア次第で様々な工夫ができるんですよ。

内容は以下を予定しています。
『箔押し・空押し・エンボス:全3回』
・1回目 それぞれの加工の違い
・2回目 素材とコスト
・3回目 加工技術

今回は(1)それぞれの加工の違い。なぜこの3つを同時に取り上げるかというと、箔押し・空押し・エンボスは、おーーーきくまとめてしまえば同じ加工だからです。

「紙を、金属凸版ではさんで、プレスする」
以上!

……いや、ごめんなさい、以上じゃないです。もうちょっと、いろいろあります。それぞれのポイントをご紹介します。

まず、全てに共通する凸版は、加工される部分が浮き彫りになった金属板を使用します。スタンプのゴム部分が金属でできてると思ってもらえると良いかと思います。詳しくは素材の回で紹介します。

箔押しは、ちょっと豪華な本の装丁やお菓子・化粧品のパッケージなどで見られる、金属光沢を表現することができる加工です。加工は紙の上に「箔」を重ねて、版を加熱しながらプレスします。熱で箔についている糊を溶かし、紙に定着させるためです。刷ると言うよりは接着のイメージですね。
また、光沢のない一見インキと変わらないような箔も存在します。印刷機を通せないような特殊紙や木材・革などに印刷したいとき、箔押しならばこうした箔を使って印刷が可能です。

空押しは、版を押し当てて紙の表面を凹ませる加工です。箔などを挟まずに片側の版のみ(裏面は平らな状態)でプレスします。そのため表側には凹みができますが、裏から見ると紙は平らなままです。

エンボスは紙の両面から凹凸のある版で挟んで、紙を盛り上げます。紙自体が変形するので、裏面から見ても凹凸ができてしまいます。そのため雑誌の表紙に使いづらい加工と言われています。(表紙の裏に広告などが入ることが多いため)

それぞれの違い、なんとなく分かりましたでしょうか。

では今回はそのなかから、一番シンプルとも思える空押しの魅力についてご紹介したいと思います。

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今週の加工マメ知識『空押しメタモルフォーゼ』

紙の表面を圧で凹ませるだけと単純な加工ですが、空押しは野口のお気に入り手法でもあります。というのは、空押しに熱を+αする「熱圧押し」をすることで、面白い効果を出せる紙があるからなんですね。

その代表格3種類は「パチカ」「OKフロート」「ピーチコート」。

パチカはこの数年ですっかり有名になりましたが、熱と圧を加えたところが透明化する不思議な紙です。真っ白でさらりとした紙肌と、つるっと透明の部分とが不思議な対比を引き出します。かなり脆いのとコストの高さが難ですが、独特の質感は他にない面白さです。
(例→ http://yohaku.biz/works/04TT1.html

OKフロートは熱圧押ししたところが変質・変色する紙です。加工したところだけがつるっと平滑になり、カラーのついたものは色が濃くなる傾向にあります。さらに、ホワイトや薄いカラーならできる裏ワザもあって……詳しくは下のリンクを参照ください。
※同様の変化をするパール紙「OKムーンカラー」もあります。
(例→ http://yohaku.biz/works/05syohi01.html

ピーチコートはプラスチックを原料とした合成紙です。薄く、強く不透明度の高い綺麗なマットで最近お気に入りなのですが、これに熱と圧をかけると、その部分がぺっかぺかのグロスになります。何種類かあるなかで「WEタイプ」しか確認が取れていないのですが、いかにもプラスチックな光沢でなかなか面白いです。
(例→ http://yohaku.biz/works/03TT3.html

というところで空押し応用編のご紹介でした。
「空押し=凹ませる加工」と考えるとそれだけしかできませんが、「圧(と熱)を加える加工」と考えれば意外な使い道があります。技術を知れば知るほど、出るアイデアも変わってくると思いますよ!


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