Trackback URI | Comments are closed.
紙03『キラッとピカッと! 輝かしきメタル紙』
※ここでは便宜的に、金属光沢のある紙を「メタル紙」と呼ばせていただきます。
特殊紙のなかでもインパクトがある紙といえば、金銀キラピカ系。
例えば代表的なこれとか
http://www.takeo.co.jp/cgi-bin/site/mdse/search/details.php?d_id=93
これとかですね。
http://www.takeo.co.jp/cgi-bin/site/mdse/search/details.php?d_id=275
一般的にはパッケージやDM……くらいに使いどころの限られる紙ではありますが、用途はデザイナーの発想次第。様々なアイデアを出すには刺激的な素材ではないでしょうか。
メタル紙の作り方にはいくつか方法があり、それによって金属感の出方が微妙に変わってきます。主な方法と、各々の代表的な用紙は以下のようなものがあります。
A:アルミペーストを塗る
アルミ粉末をペースト状にして紙の表面に塗工する方法です。他の方法に比べてピカピカ感は薄いですが、品の良いマットな輝きで、コストも安め。アルミ層が薄いので再利用も可能です。同じようにパール顔料を塗工すると、パール紙になります。
(ニューメタルカラー / ザンダースメタリック / パラージュ)
B:アルミ箔を貼合する
アルミを薄ーく伸ばし、紙に直接貼付けて作る方法です。古くから用いられており、いかにも金属らしい固さ、シャープさが出ます。ただしアルミ使用量が多いため、古紙として再利用はできません。
(ハイボーンA / メタドレスV)
C:紙にアルミ粒子を蒸着する
蒸着とは、金属に真空状態で熱を加えて粒子にしてしまい、それを基盤に定着させて薄い被膜をつくる技術です。CD・DVDの盤面もこの技術でできています。紙に直接アルミ蒸着したものは、紙目を微妙に残しながら、ペーストよりも強い金属感を出せます。
(オフメタル / ハイピカ)
D:フィルムにアルミ粒子を蒸着して貼合する(or 転写する)
基本的な蒸着の方法はCと同じですが、こちらはフィルムに蒸着し、それをフィルムごと紙に貼合せるか、アルミ層だけを紙に転写するものです。フィルムに蒸着したものは、メタル紙の中でも光沢度が抜きんでていて、ハッキリ顔が映るようなミラー感が特徴です。
アルミ層も薄いのですが、フィルムをそのまま貼付けているものは再利用不可。直接蒸着・転写したものはリサイクルできます。
(セイントエコ100(フィルム貼合) / アルグラス(転写))
しかし製法が違っても、B・C・D は見分けがつきにくいし、ここまで知ってしまうと「使い分けはどうしたら……」と悩んでしまうところではあります。
製紙会社の営業さんに見分け方、使分けを聞いてみたところ、まず違うのはミラー感。Bのアルミ箔の場合、金属光沢はあるけど蒸着したものに比べて、ミラーっぽさが薄いんですね。紙を曲げて光の当て方を変えると、Bは光る、Cはぼやっと写る、Dはピカッと鏡のように映り込む、というイメージです。
次に折りに対する強度。B・C のように紙の表面にくっついているものだと、気をつけて折り曲げないとアルミ層が割れてしまいます。しかしフィルタイプだとまず割れません。ただ、フィルムの場合は折り強度が強すぎて、角がくっきり曲がらないのだとか。パキッとした箱を作りたい場合は、紙ベースの方が向いているようです。
また、全般的な注意点として、メタル紙は指紋やキズがつきやすいため(iPodの裏面のようなもんですね)防止するためには印刷後に表面をニスやフィルムでコートする必要があります。そもそも金属がくっついているので、印刷インキが乗りにくいです。紫外線で硬化するUVインキを使ったり、印刷自体に工夫が必要。メタル紙は面白いけれど扱いは難しいです……。
とはいえデメリットも考えようで「注意しないとこうなる」ことを効果として狙って使う方法もアリなわけです。
キズがつきやすいってことは、貼合か蒸着した紙にステンシル型をあてて、目の細かい紙ヤスリでサッとこすれば、そこだけマットになるんじゃないかとか。
メタル紙の印刷がキレイにできる方法なら、箔押しした箔の上への印刷にも応用できるんじゃないかとか。
これ、全く試してない妄想なので、検証したら教えてください(笑
特殊紙ってまだまだ広大な未開拓ゾーンがあるので、想像を膨らませるほど新しい表現が生まれる素材だと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今週のピックアップ紙『SPECIALITIESシリーズ』
五條製紙の根性入ったキラピカ紙ブランド、それがSPECIALITIESです。今回の知識編テーマを包括するシリーズと言っても過言ではありません。
No.100番台はパール塗工紙で
No.1000番台はアルミペースト塗工紙。
No.200番台はアルミ貼合紙、
No.300番台はアルミ蒸着したPETフィルムを紙に貼合したタイプ。
No.700番台はホログラムのフィルムを転写したシリーズで、
GTシリーズはフィルムに蒸着したアルミを転写したタイプです。
毎年、7〜8種類は新作を増やしているそうで、とにかくキラキラピカピカした紙といえばSPECIALITIESは外せません。
このシリーズを始めたきっかけについて営業の方に伺ってみると、もともと戦後の後発の製紙会社だったため、これまでにない製品を作っていこうという方向性が始めからあったとのこと。また、パッケージを扱うことが多かったのも背景にあるようです。
これ、営業さんが主体になって、社内の若い方々がアイデアを出し合いながら、こんな紙はどうだろうって考えてるそうですよ。私も混ざりたい!
まだまだ進化を続けるラインナップ、要注目です。
▽SPECIALITIESについて(五條製紙オフィシャル)
http://www.gojo.co.jp/ja/products/specialities/specialities00.html