日販の常盤くんと本を取り次がないおはなし(前編)

4月 30th, 2009

__今回は出版業界で知らぬ人は居ないであろう、国内最大取次にお勤めの常盤くんとおはなしです。
出版取次というのは、出版社の出した本を全国の書店に卸す機関で、出版物の流通を一括管理しているカナメなのですが、今回は取次の
内情とか期待しないでください(笑)
なんせとっきーは日販にいながら出版流通に携わったことがないんですね……。ということで、簡単に自己紹介お願いします。__

どうもどうも、恥ずかしながら本を取り次がない取次マンでお馴染みの常盤です。今年で29歳、入社7年(時が経つのは早い)、デジタル任されてからは5年です。電子出版社をやっているので主にコミック編集をどっぷりやってます。
話すと長いんですけど、色々あって主にBL系の作家さんメインでやってて、最初はズブ素人でしたが1年半もやってるともうね、すっかり腐男子ですよ。あらゆるもので掛け算しますよ(笑)

あとは、出版事業以外のデジタル系の新規事業の研究もやってますね。
あんまり詳しくは言えないけどデジタルライブラリーとか、iPhoneまわりとか、、
BLからの振れ幅でか過ぎだろってゆーね。

__腐男子(笑。あ、余計な捕捉ですけどBL=ボーイズラブですよ。取次にいながらにして編集者。いまんとこ、日販の唯一の自社版権コンテンツ、なんだっけ。
日販が出版流通以外も、映画のライツやデジタルコンテンツに力を入れてるのはとっきーの話を聞いてから知ったことなのだけど、コンテンツビジネスに携わってる人って社内にどれくらいの割合?__

2000人弱の社員の中で、10人位じゃないでしょうかね、社員だけでいうと。デジタルコンテンツは2名でやってます。
改めて、めちゃニッチですね!
まあ、そりゃみんな取り次いでますから(笑)
それがあっての日販だし、それを何とか自分の仕事にも絡めてシナジー出してかないと、日販でやってる意味がないしね。

版権という意味では、映画は製作と出資両方ともやってるので版権資産ですね。映像は製作は7年位前から、出資だけで言うともっと前から取り組んでる。映像チームとも一緒にデジタル系の仕掛けを始めてます。
他にもフリーペーパーやったり検定事業やったりと、非常に新規事業が活発な会社だと思いますけど。

__意外なほど少ない……ってデジタルコンテンツ2人だけ!?
あ、そうか、復刊ドットコムとかをやってる「BOOK-ING」や、web書店「boople」の運営はグループ会社になるのか。
『BOOK-ING』 http://www.book-ing.co.jp/
『boople』 http://www.boople.com/bst/html/
母体の業務がガッチリしてるからこそ、実験的なことがいろいろできるんだろうね。あとは経営者の方向性とか。けっこう現社長、新しい展開好きな方だなと思います。
とっきー自身は普段の仕事ってなにやってるの? ノリスケさんみたいに原稿の上がり待ちとか……(偏見。__

毎月売上管理をされてるんで、目標タイトル数出す為に作家・作品の開拓、作家との打ち合わせ、配信データ制作&納品、サイトのプロモーション、ミーティング、売上管理と、インプットからアウトプットまで全部やってます。
人数少ないので、1人の編集者が編集から営業まで全部やらなきゃいけなくて。でも編集と営業の壁っていうでしょ? 出版社では。あれがないから、自分で思い入れをもった作品を最後まで自分のコンセプトで持って行けるのは、結果としてよい方向に向かってると思います。
作家の開拓は主に今は同人イベントですね。これから持ち込み募集の仕掛けもガンガンやってきますよ。

__そういえば冬コミ仕事で行ってたっけ。スカウトマンのようだ。
にしても器用さはもちろん、コミュニケーション能力問われる仕事ではあるよね。作家によって眼鏡を替えるという伝説も……__

コミュニケーション能力は大事だけど、万人に受ける人なんていないし。自分にフィットする人もいればそうでない人も必ずいるし。だから色んなタイプの人を編集部で揃えておくのは大事な事だと思う。どんな人でも、こちらから先に嫌いにならない事が大事ですよね。
眼鏡は、えらくメガネ男子萌えな作家さんがいて、その方のニーズに応えて会う時はセレクトしてる、っていう話ですね(笑)BLというある種特殊なジャンルなので、男の編集者が珍しいってのもあるんだと思います。男社会で働く女性の逆バージョンで、けっこう得する部分が多いんですよ。イベントにいるだけで目立つしね。

__BLゾーンを徘徊するこじゃれたメガネ男子。そりゃあもう辺り一帯ざわざわですな(言い過ぎ。
とっきーは体質的にポジティブなんだろうなあと思ってるんだけど、普通に考えて苦労したこともいろいろあるんじゃないかと。__

社内に編集部なんてないので、教えてくれる人がいないのが何よりも大変でした。
そもそも作家の開拓ってどうすりゃいいんだ!? っていう。でも、出版社のマネしてもしょうがない! と開き直って吹っ切れましたね。
人としてのマナーを守って、あとは恐れず飛び込もうと。もちろん編集の勉強も独学でしましたよ。

気遣いは常にしてます、慣れに足をすくわれない様に気をつけてます。面白いのは、作家さんはほとんど日販なんて知らないんですよね。でも説明をするとけっこう興味を持って聞いてくれるんです。それが嬉しくて。
もっと取次という存在を作家さんに知ってもらってもいいんじゃないかと思います。

__そうねー、出版流通の仕組みなんて大部分の人は知らないですね。でも余談だけど、同人業界の方々って驚くほど印刷知識は豊富なんですよ。自分で作ってるから。それだけ自分の作品に思い入れのある人も多いと思うし、デジタルにカタチを変えても、流通に乗せるって面白さを知ってもらえるのは素敵な仕事かも。
ってことで、日販デジタルコンテンツの今後の展開も含めて、後編も掘り下げていきますよー。__


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