紙06『非木材紙のいろいろ』

4月 30th, 2009

世田谷ものづくり学校(以下 IID)に入居してから、祝日や季節の移り変わりというものを意識する機会が増えました。なぜなら季節ごとに一度はIID全体を使ってのイベントがあるんですね。そして4月の29日はみどりの日……あれ? みどりの日は5月4日?

……みどりの日が5月になって、元・みどりの日が「昭和の日」になってたことに3年目でやっと気づきました。
ということで、元・みどりの日の29日には「IID GREEN DAY」と称して GREEN なイベントが GREEN に行われます。
http://www.r-school.net/program/event/iid_green_day_vol6.html

それに乗っかって、今回はECOイメージが謳われる「非木材紙」のいろいろを紹介したいと思います。

まず素材となっている「非木材」。どんなものが使われているかというと、代表的なものは「ケナフ・バガス(サトウキビのかす)・竹・コットン」などです。それぞれについて簡単にご紹介します。

(1) ケナフ
環境対策などでも取り上げられることの多い素材かと思います。1年で4mほどに成長し短期間で収穫でき、二酸化炭素の吸収が良く、茎が広葉樹の繊維と似ているため木材パルプに似た原料が作れます。
繊維の性質から、嵩高のふかふかした紙を作ることができます。
(ケナフ100GA、グレートケナフ など)

(2) バガス
バガスは、サトウキビの搾りかすです。製紙のために植えるのではなく、廃棄物を利用している例といえます。黄味がかった自然な色合いの紙ができ、「GAバガス」シリーズは優しい色合いから書籍の本文用紙など文章を印刷するのにも適しています。
(GAバガス、トーメイあらじま など)

(3) 竹
繊維が美しく、表面がきめ細やか。竹を使った紙は、さらりとした表面で硬め、しゃきっと感があります。配合率の高いものは天然の抗菌性があるようです。
(竹あや、タケバルキーGA、レオバルキーGA など)

(4) コットン
綿を紡ぐ際に出た繊維くずなどを原料にします。筆記適性の優れた高級ステーショナリー紙や、水彩画用紙、印画紙を作るのにも利用される原料で、目が細かく吸水性に優れ、弾力があって丈夫な紙になります。また、コットン100%のものは紙が中性に保たれるため、半永久的に保存可能です。
(NTラシャ、リ・シマメ、ロベール、アイリスボンド、モロー など)

(5) その他
上記に上げた以外にも、「麻・わら・羊毛・バナナの木・トウモロコシ」など様々な繊維を利用した紙があり、それぞれが元の原料の特性を反映した、面白い質感をもっています。
(麻紙GA・羊毛紙・わらがみ など)

ただし、非木材紙が本当に「環境に優しい」かどうかは、一概には言えません。もともとは、木は伐採してしまうと再生に長い時間を要するため、短期間で育つ植物で代替しようということなのですが、実際に生産するとなるとそう単純ではありません。

例えばケナフの場合を考えてみましょう。
成長が早く一年草であるケナフは、毎年収穫することができます。それは毎年植付け、収穫を行わなくてはいけないということでもあります。面積が広いほど、働く人数も必要だし、さらにまとめて収穫されたケナフの運搬・保管にも、木材以上のエネルギーが必要になります。言ってしまえば、人の労働力にしても、間接にかかるエネルギーにしても効率が悪い。

もちろん「非木材でも意味がない」というつもりは全くないですし、いざというときの選択肢が多いことにこそ、多様性の価値があると思うのですが、なんでもアイコン的に善悪決めちゃうのは良くないですね、ということで。

それに非木材紙の一番の魅力は、木材パルプでは出ない「質感」にあると思います。繊維くずが入っていたり、柔らかさも素材によって違ったり。環境適性を主張しすぎなくても、そうしたナチュラルな質感が愛されるべき紙なのではないかなと思います。


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