日販の常盤くんと本を取り次がないおはなし(後編)

5月 7th, 2009

(前編→ http://yohaku.biz/mmgwp/?p=77)

__後編は、日没前から飲み語り@新宿 new DUG でお送りしております(スミマセン)。後編はとっきーの専門でもあるデジタルコミックに絞って、お話を伺っていこうかと思います。
まずは前から気になってたんだけど、ケータイコミックの「書き手層」「読み手層」ってどのあたりなんすか?
私はぜんぜん読まないけど……(今日初めて見ました 笑)__

読み手は10代20代が増えてきてる。ケータイでコンテンツ買うのは圧倒的に女性が多いですね。バックライトで暗いところでも読めるから、寝る前にダウンロードしてベッドで読む人も多いみたい。

書き手は、ケータイ書下ろしの作家は20代後半~30代前半くらい。紙媒体でも平行して描いている作家は、レディコミ誌とかで細々と描いている30代後半くらいの人もいますよ。
なかには「夫の扶養から外れちゃうからあんまり売れすぎても困るんですよー」って人もいる(笑。

__あはは、税金対策大事。それだけライトな心持ちで描けるのはデジタルならではだね。紙媒体は発行からどんどん年齢層が上がっていく宿命にあるけど……。読者層の年齢が上がるにつれて、作品もその方々向けになっていくというサイクル。__

デジタルで面白いのが、例えばハーレクインも紙だと40代の方々が買ってるんだけど、ネットだと20代にもけっこう売れてるんだよね。
デジタルになったことで、いままでと違う層の読者もアクセスできるようになった。そうしたデータがあると作家さんにもデジタルの効果をアピールできるし、そこが日販の強みでもありますね。

__出版市場の動向をデータとしてつかめるのは、取次ならではだね。ちなみにケータイコミックってどういう流れで配信されてるの?
電子出版専門の取次さんとかもいるのは知ってるけど……__

ケータイ配信に限って話をすると、各社のメニュー(iモードとか)に公式サイトがランキング別に並んでて、その上位でほとんどのユーザーシェアを占めてる。そうした上位の販売サイトと、各出版社や版権を持ってるところが直取引して配信してます(日販の場合はこれで7割くらい)。
あとのランキング上位に上がってこない数多の販売サイトへ、電子出版取次が窓口になってまとめてばらまくって感じかな。

__そっか。リアル書店とは違って、限られたところで配信すれば良いから「制作元」と「販売元」がほぼ直結で済んでしまうわけか。取次の立場も全然違うんだ。
じゃあ入稿形態は? 紙の商業コミックはDTP化が最も遅れているジャンルで、いまだに手描き原稿が多いけど(単行本なんかでDTP化するときに制作会社でひたすらスキャニングとか……)。__

や、一緒だよ。ほぼ紙・原画。
制作会社で原稿カットしてスキャニングして文字のせて、ケータイ用の効果つけて(スクロールとか、バイブレーションとか)。
むしろデータ入稿で大きいファイル送ってくれちゃうと俺のパソコン止まっちゃうから。性能良いのあてがわれてないんよねー。

__そうなんだーって、ええ?
あ、とっきーのPCで全部編集してるの!?__

そうですよ(笑。ケータイだと規制が多いから「ここ修正してください」みたいなのが販売サイトから戻ってきたりするんだけど、出社したら修正箇所が大写しになった画像添付のメールが届いてて、朝から白ヌキ修正したりね。

__それは清々しい朝だね……。
まだまだ聞きたいことがあるんだけど長くなってきたのでそろそろ。デジタルコンテンツとかに限らず、とっきーがこれからやってみたいこととかありますか?__

うーん、そうね。他の電子サービスとかもやってみたいけど……でもいまはコミックやりたいかな。
持ち込み募集して、レコード会社のインディーズレーベルのような感じでエージェントとしてデビューサポートできるようにもしてみたい。エロだけじゃなくてちゃんとした創作コンテンツもね。

デジタルなら書店では絶対売れないようなものも出してくれるし、検索性が高いから新作じゃなくなってもある程度は売れ続ける。プロだと体力的にもハードすぎて、インディーズに戻ってくる人もいるし。
疲れた作家のゆりかごとして日販がお待ちしておりますってね。

__ほんと、前編でも思ったけど、とことん「作家主義!」なのね。__

もちろん。 作家さんが喜んでくれることを第一に考えて仕事してます。出版全体としても、せめてケータイからでも本に興味持ってもらって、間口を広げていければいいなと。

__いいなあ、そのくらい誰かに考えていただきたいですよ(おいおい)。ありがとうございました。
次回はオーストラリアで日本人論研究をしているnoskeくんに電波インタビューです!__


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