印刷07『表面加工(2):ニスの多様性』

5月 21st, 2009

(表面加工1回目はこちら→ http://yohaku.biz/mmgwp/?p=82)

前回は主要な表面加工の方法として、ラミネート・プレスコート・ニスのそれぞれの特徴をご紹介しました。今回はそのなかでも多様なバリエーションのある、ニス加工について少し踏み込んでみたいと思います。

ニス加工の多様さは、何より塗布するニス自体のバリエーションが多いことが挙げられます。
しかも分類が複雑、かつ用語が各社でまちまちなので、私の認識が間違っている可能性も十分あり得ます(おい。「ニスってこういうものなんだな」くらいにご理解いただければと思います。

まずベースの性質によって、ニスの質感・特徴が変わってきます。
ざっくり分類すると下記のように分けることができます。

A:油性 OPニス
一般的にニス引きと言われるのはこの方法です。
インキを刷った上から透明な油性溶剤を塗ってグロス・マット感を出して「色落ちを防止します」。逆に言うと、保護効果やツヤなどはあまり期待できません。が、安価です。
OPというのはオーバープリントのことで、インキを刷るのと同じ印刷機(特別なニス専用コーターを使わず)で、インキの代わりにニスを刷るようなイメージです。

B:UV OPニス
油性 OPニスと同じように、印刷機でコーティングできるニスです。
UV印刷機の場合には油性ニスは使えないので、こちらのタイプが使われます(油性インキ上に使えるUV OPニスはあります)。やはり印刷機で刷れるため比較的安価で、紫外線で固めるため、納期が短縮できます。
油性ニスよりも耐摩擦性が良好ですが、専用コーターではないため強いツヤ、コーティング感を出すのは難しいです。

C:水性コーティングニス
水性ニスは粘りけが少ないため、印刷機にニス専用のコーティングユニット(コーター)のついたものを使用します。
水性ニスの特徴は摩擦に強いこと、あと温度差(耐熱・耐寒)にも非常に強い版面、アルコールや酸などの薬品系にはめっぽう弱いです。通常印刷で選ぶメリットとしては、時間が経っても黄変しにくく、自然な薄づきで綺麗な光沢感が出ます(化粧品PRみたい……)。
また、これ黒をべったり乗せた印刷に使ってほしいんですが、水性ニスを塗ると指紋が目立ちません。拭けばとれますし。CDブックレットなんかで指紋がやたらとくっつくのがありますが、そういうものには効果的です。

D:UVコーティングニス
ニス専用コーターで、紫外線で硬化するニスをコーティングします。
このニスの特徴は、保護効果こそPP貼りなどのラミネートには劣るものの、ニスのなかでは最も厚みがあり、プレスコート並の光沢の強さが出せます。しかもプレスコート・ラミネートよりは安価です。また、水性ニスとは逆に耐薬品性もあります。
ニスに厚みがあるため、スポットで部分的に塗った時の効果が高く、特殊なUV OPニスと組み合わせると梨地のようなざらざらとした擬似エンボス効果を出すこともできます。

ベース素材の解説だけでかなり費やしてしまいましたね……。
が、まだニスについては前半です。次回は金銀パール感や、上記の擬似エンボス効果など、ニスでできる面白い加工について紹介していきます。


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